地価公示制度の実際

地価公示制度の作業の実際について、概略の説明を試みる。

地価公示法は、地価公示法に基づいて、国土交通省土地鑑定委員会が都市計画区域等における標準地を選定して正常な価格を判定し公示するものである。具体的な作業は1ないし複数の市町村単位で分科会を構成し、6回程度の会議を開いて価格動向等の議論を積み重ねていく。

日常のワーキングとしては標準地の鑑定評価の基準に関する省令第5条で定められている資料を収集することが評価員に義務付けられている。これは①価格形成要因に関する資料、②取引、賃貸借等の事例に係る土地の取引価格等に関する資料である。

①については不動産市場に関連するあらゆるデータを評価員が手分けして収集することになっているが、②については主に売買に関する所有権の移転が行われた当事者(買主)に対するアンケート調査の回答結果や市場の取引情報に関するヒアリング等に基づいて各評価員が事例資料を作成することになる。

ある特定の土地に関する売買価格情報それのみでは活用できず、情報としての価値は半分以下である。取引された土地の特性について法務局で公図等により形状や接面道路との関わりを判断し、(勿論登記の異動についての裏付検証を行い)市役所等において建築等の法規制を調査し、道路幅員などの確認、また供給処理施設の状況を調査した後、現地に赴いて地勢や形状、利用状況等について調査を行う。

この事例調査に係る絶対的な労力はかなりの量にのぼる。半年で30~40件程度作成するとして、1か月で5件前後を評価員が調査することになる。(地域により件数には増減がある。)もちろんアンケート以外に仲介者や売主からの情報も利用する。

情報の収集はあらゆる方法を駆使して行われる。そしてこれらの事例資料は地価公示制度を支える根幹ともなっている。地価公示制度について意味がないのではないとか、不要ではないか等の様々な意見がある。しかい、現場で実際に携わっている立場からすると作業量を考えると社会奉仕とは言わないまでも社会に対する貢献のような仕事で、各評価員の献身的な作業の積み重ねの上に成り立っていると言っても過言ではない。

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