「神田川」の世界

団塊の世代にはおなじみの昭和時代のフォークソング「神田川」の作詞家の喜多條忠さんの訃報を最近知りました。1970年代と言えばフォークブーム全盛の頃で世情は混沌としていました。当時、同棲時代という漫画や映画等が社会現象を巻き起こしたようになりました。大信田礼子さんの歌も覚えています。

自分は東京がふるさとのようなもので同棲という言葉には憧れのようなものしかないですが、社会が大きく動いていく中で、若者たちが身を寄せ合って生きていこうとしていたのかもしれません。曲の生まれる過程は作曲した南こうせつさんが、ラジオで何度も語っていました。時代の世相から生まれるべくして生まれた歌だったかもしれません。

青春はどの時代にも、どんな時にも存在していると思いますが、70年代のあの時代、社会が混沌としていたときにこそ相応しいように思います。日本がオリンピックで世界に認められて、これからさらに発展して経済的にもさらに豊かになろうとしている最中だったと思います。

あの時代に青春という時を過ごした人間にとって甘酸っぱい言葉の響きは時の流れの中で最も似合っていたのかもしれません。自分は団塊世代の尻尾の先ですが、今のシルバー世代の「青春」への感慨は理解できるような気がします。

ある先輩が生涯青春の気概を持って生きなさいと言っていました。つまり精神の若さが一番大事と言うことでしょうか。そういえばあの頃、友らも含めてみんな大きな夢を抱いていました。未知の時間と空間への憧れでしょうか。世間を知らないといった方がいいかもしれません。しかし、先輩の言葉によると生涯青春と言うことになってしまいます。若さは内側からにじみ出るのでしょうか。確かに元気なシルバー世代も存在しています。自分も見習っていきたいと思います。

ではその青春を最も輝かせるためにはどのようにすればいいのでしょうか。人生にとって必要なものは、希望とか、目的、目標といったものでしょうか。あらゆる世代で希望は必要なことではないでしょうか。どんな時もどんな場所でも希望を持って生きることは必要と思います。そのために目的を掲げて、実現に向けて目標をクリアしていく過程に意味があると考えます。そのような生き方に年寄りも若者も区別はないのではないでしょうか。